松谷司法書士事務所

相続登記用の遺産分割協議書

このページの著者
司法書士 松谷賢一郎

相続登記の添付書類である遺産分割協議書

相続登記には、遺言にもとづいて登記する方法、法定相続分で登記する方法もありますが、もっともよくあるのは、「遺産分割協議」をして相続人が合意した相続人名義に相続登記をする方法です。

このページでは、遺産分割協議による相続登記の添付書類である、遺産分割協議書について詳しくご説明いたします。


遺産分割協議書とは


相続人全員で遺産の分け方についての話し合いをすることを遺産分割協議といいますが、遺産分割協議がまとまった際、その協議の結果を書面にしたものを「遺産分割協議書」といいます。


遺産分割協議書は、相続税の申告や不動産登記の際の添付書類となりますが、相続税の申告や相続登記をされない場合には、必ず作成しなければいけないものではありません。


しかし、遺産分割協議を作成しておけば、協議の内容についての証拠書類が残ることになりますので、後日協議の内容について争いがおこるのを防ぐ効果があります。

相続登記用の遺産分割協議書


相続登記の申請の際に法務局に提出する遺産分割協議書につきましては、司法書士にご依頼頂いた場合には、司法書士が作成します。


相続登記用の遺産分割協議書は通常、遺産全体についてではなく不動産のみについてのものを作成いたします。


相続登記用遺産分割協議書サンプル

遺産分割協議書

被相続人甲野太郎の令和○年○月○日死亡により開始した相続につき、共同相続人である甲野花子、甲野一郎は、その遺産を次の通り分割する事と協議した。

1、 相続人甲野花子は以下の財産を取得する。

所在 川西市○○町二丁目
地番 ○番○
地目 宅地
地積 200㎡

所在 川西市○○町二丁目○番地○
家屋番号 ○番○
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 48.26㎡ 2階 48.26㎡


以上証明のため、相続人は署名押印するものである。


令和○年○月○日


  兵庫県川西市○○町二丁目○番○号
  相続人 甲野花子   (印)
  兵庫県川西市○○町一丁目○番○号
  相続人 甲野一郎  (印)


相続人全員の署名押印が必要です。相続人全員の印鑑証明書といっしょに、法務局に提出します。


上記の遺産分割協議書のワードファイルを、こちらからダウンロードしていただけます。
赤字の部分を、相続登記の対象となる不動産の「登記事項証明書」の「表題部」の欄を見ながら書き換えて、ご利用ください。
※登記事項証明書は、法務局で取れます。法務省のHPで公開されている登記事項証明書のサンプルはこちら


※上記は相続登記の対象となる不動産が「一戸建て」の場合です。「マンション」の場合の物件の表示は、下記の記載例をご利用ください。


一棟の建物の表示
所在  川西市○○町一丁目○番地
建物の名称  ○○○○○
専有部分の建物の表示
家屋番号  ○○町一丁目○番の111
建物の名称 111
種類  居宅
構造  鉄骨鉄筋コンクリート造1階建
床面積  ○○階部分 48.26㎡
敷地権の表示
土地の符号  1
所在及び地番 川西市○○町一丁目○番
地目  宅地
地積  8077.16㎡
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 3006190分の7668


遺産分割協議書には署名が必要か(記名ではダメか)

「署名」というのは、本人の自筆で名前を書くことですが、最初からパソコンで名前を印字しておく「記名」という方法もあります。


相続登記の添付書類となる遺産分割協議書については、署名がなく記名であっても、登記実務上問題ないとされています。


ただ、司法書士にご依頼いただいた場合には、後日の紛争の防止と相続人のご意思の確認を兼ねて、遺産分割協議書には署名をお願いしております。

遺産分割協議書の原本は登記完了後に返してもらえるのか

相続登記の際に法務局に提出した遺産分割協議書は、「原本還付」の手続きをすることで返還してもらうことができます。


登記申請書を提出するときに、遺産分割協議書のコピーを作成し、そのコピーに「原本により正写しました」と記載し、申請書に押印した人がそのコピーに記名押印したものを遺産分割協議書の原本と一緒に提出すれば、登記完了時に原本が返却してもらえます。

「遺産分割協議証明書」とは

相続登記の申請の際、「遺産分割協議書」ではなく「遺産分割協議証明書」という書類を作成する場合があります。


「遺産分割協議書」は相続人全員が連名で署名または記名押印していますが、「遺産分割協議証明書」は、相続人の人数分作成し、1通につきお一人に署名押印していただく書類になります。


つまり、相続人が3名おられるのであれば、3枚の遺産分割協議証明書にそれぞれ署名押印していただき、3枚の遺産分割協議証明書(と印鑑証明書)をワンセットで法務局に提出することになります。


相続登記の添付書類としては、遺産分割協議書でも遺産分割協議証明書でも、どちらでも大丈夫です。

相続人が遠方に住んでいる場合などには、1通の遺産分割協議書に順番に署名押印していくことが大変な場合などに、遺産分割協議証明書を作成し、相続人さんそれぞれに郵送して送り返していただくほうが時間短縮になりますので、遺産分割協議証明書のほうがよいでしょう。


まとめ


以上、相続登記の添付書類となる遺産分割協議書を作成する方法をご説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。


自分で遺産分割協議書を作成して、相続登記をやってみようと思われている方もおられると思いますが、「意外と大変だな」と思われたら、司法書士にご相談ください。


司法書士にご依頼いただければ、戸籍集め、遺産分割協議書の作成、登記申請までスピーディーに代行いたします。

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